ボルボ S60 天井張り替え施工事例|東京都世田谷区 全面たるみを張り替えで改善
施工車両情報

施工前の状態
今回入庫したボルボS60は、天井生地が前席側から後席側まで広く垂れ下がる全面たるみ(全タレ)の状態でした。
中央部に落ち込みが見られ、後部座席側では波打ちも出ており、室内に入った瞬間に経年感が伝わる状態です。
運転席から見上げた際にも垂れが視界へ入りやすく、見た目の問題だけでなく、日常使用の中で気になりやすい段階まで進行していました。
現車はサンルーフなしのセダンですが、天井面が一枚で広く見えるため、たるみが出ると面で目立ちやすい特徴があります。

部分補修を推奨しない判断理由
ボルボS60のような輸入車で天井生地が全面的に落ちている場合、表面の生地だけでなく、裏側の劣化ウレタンが粉状化し、さらに接着層そのものが弱くなっているケースが多く見られます。そのため、垂れている部分だけを再接着しても、周囲の下地が残りやすく、短期間で再発につながる可能性が高いため、今回は天井ライナーを脱着して全体を張り替える方針を選択しています。
車種特有の天井トラブルの特徴
ボルボS60は輸入セダンらしく、天井面の見え方が室内全体の質感に直結しやすい車種です。
特にこの世代は年数経過に伴って裏側のウレタンが劣化しやすく、見た目以上に下地の傷みが進行していることがあります。
また、セダン構造のため、天井ライナーを車外へ取り出す際には搬出経路の確保が重要になります。Aピラー、Bピラー、Cピラー、サンバイザー、室内灯など周辺部品を外したうえで、後部ドア側から角度を調整しながら斜めに搬出する必要があり、無理に動かすとライナー自体を傷めるリスクがあります。
- 輸入車特有の経年劣化で、劣化ウレタンの粉状化が進みやすい
- 天井面が広いため、中央部の落ち込みや後席側の波打ちが目立ちやすい
- セダン構造のため、ライナー搬出時は角度調整と支点管理が必要
- 端部の収まりと均一な張り感が仕上がりの印象を大きく左右する
施工工程
① 内装分解・天井ライナー取り外し
まずは天井ライナーを車両から安全に取り出すため、Aピラー、Bピラー、Cピラーまわりのトリム、サンバイザー、室内灯など周辺部品を順に取り外していきます。ボルボS60は後部ドア側から斜めに搬出する構造で、搬出時にはライナーを曲げず、角を当てないよう支点を意識しながら動かす必要があります。

② 旧生地剥離・下地処理(最重要工程)
ライナー単体にした後は、旧生地を剥がし、残った劣化ウレタンや古い接着成分を丁寧に除去します。この下地処理が不十分だと、新しい生地を貼り込んでも数年以内に浮きや波打ちが出る原因になりやすく、仕上がりの安定性を大きく左右します。
下地処理で重視するポイント
- 粉状化した劣化ウレタンを残さない
- 弱くなった接着層を取り除き、ライナー面を均一に整える
- 段差やムラをなくし、貼り込み後の影・波打ちを防ぐ
③ 新規天井生地の貼り込み
下地を整えた後、新しいライトグレー系の純正近似生地を貼り込みます。今回使用したのは店舗常備在庫のスタンダード天井生地で、色味の違和感を抑えやすい素材です。広い面を一気に仕上げる作業になるため、中央から外周へ向かってテンションを均一に管理しながら進め、余分な寄りやたるみが出ないよう調整します。
生地送り
広い天井面で寄りが出ないよう、中央から端部へ均して貼り込み
テンション管理
張り過ぎと緩みを避け、面で見た時の均一感を優先
端部処理
巻き込み部の浮きや段差を抑え、自然な収まりに整える
④ 再組み付け・室内灯動作確認
貼り替え後のライナーを再び車内へ戻し、取り外した内装パーツを元通りに組み付けます。最後に室内灯や各部の固定状態を確認し、天井面の張り感、端部の収まり、視界に入る範囲の波打ちの有無をチェックして完了です。現場では雨天だったため、搬出入時はライナーを濡らさないよう養生しながら進めています。
施工後の状態
施工後は、施工前に見られた中央部の垂れ下がりや後席側の波打ちが解消され、天井全体がフラットな印象に整いました。ライトグレー系の純正近似カラーも内装色と馴染みやすく、補修感を抑えながら室内の清潔感と落ち着きが戻っています。
ボルボS60のようなセダンは、天井面が視界の広い範囲に入るため、仕上がりの差が室内全体の質感へ直結します。今回も張り替え後は、乗り込んだ瞬間の印象が大きく改善された状態になりました。

- 天井生地の全面たるみを改善
- 波打ちや落ち込みが解消され、面が整った仕上がり
- 純正近似のライトグレーで自然な室内印象へ復元
施工担当者コメント
ボルボS60のような輸入セダンは、たるみが出た時に「少し浮いているだけ」に見えても、実際には裏側の劣化ウレタンが広範囲に粉化していることが多くあります。
そのため、見えている部分だけを戻すのではなく、ライナーを脱着して下地から整えることが再発防止の基本になります。今回も生地貼り込みそのもの以上に、旧接着層と粉状化した下地を残さない処理を重視して進めました。
また、S60は搬出時の角度取りにコツが必要な車種です。ライナーを傷めずに出し入れできるかどうかも、安定した施工品質には欠かせないポイントになります。
検討中の方へ
輸入車の天井たるみは、生地の浮きが見え始めた段階でも、内部では劣化が進んでいるケースが少なくありません。
特に10年以上経過した車両では、接着層と劣化ウレタンの傷みが同時に進行しやすく、部分的な応急処置では安定しにくい傾向があります。
ボルボS60のようなセダンは、天井ライナーの搬出入と張り込み精度の両方が仕上がりを左右します。見た目だけでなく、下地処理から整える施工内容かどうかを確認することが重要です。









